鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリを前に、フェラーリが意気込みを語った。メルボルンGPでカルロス・サインツが優勝した勢いに乗って、チームはレッドブルとの接戦を期待している。
しかし、ホンダの本拠地である日本グランプリでは、レッドブルが再び優位に立つ可能性がある。フェラーリは鈴鹿のような高速コーナーを苦手としているからだ。
それでも、フェラーリは昨年の鈴鹿GPよりも堅調な戦いができるだろう。SF-24は、高速コーナーで改善が見られるなど、前任車よりも安定性が増している。
サインツは冷静さを保ち、メルボルンの成績に舞い上がっていないことを強調した。チームは平均的なパフォーマンスを見せるだろうと語る。
「メルボルンではとても好調でした」とサインツは述べた。「しかし、最初の3レースの平均値を見ると、レッドブルにまだ0.2秒ほど遅れています」
「鈴鹿のようなコースで勝利するためには、アップグレードが必要です。チームが今年は素晴らしい仕事をしてくれて、車は大きく前進しました。でも、まだ足りないのです」
一部の専門家は、鈴鹿が「通常の」コースなので、順位争いの重要な試金石になると指摘している。しかし、シャルル・ルクレールはすべてのコースが判断材料になるとして、この見解を軽視した。
ルクレールは、レッドブルが日本でも優位に立つと予想しており、メルボルンでフェラーリに有利に働いた特定の要因が今回は作用しないと見ている。
「現時点では、レッドブルが今週末も優位に立つでしょう」とルクレールは語る。
「フェラーリには、フロントタイヤのグレイニングが発生するコースで強いという特徴があります。2週間前のオーストラリアではそれが有利に働きましたが、今週末はグレイニングが少なく、全体的な劣化が多くなります。そのため、レッドブルは以前の状態に戻ります」
ルクレールは、グレイニングの問題がなければ、レッドブルが日本でも優位を取り戻すだろうと予想している。
「今週末は、レースでレッドブルが優位になると予想しています。しかし、メルボルンのような機会があれば、それを逃さずに利用する必要があります。ただ、昨年よりは確実に良い戦いになるはずです」
「特に高速域では、今年の車は大幅に改善されています。昨年は安定性に欠けていましたが、それを改善することでレッドブルとの差を縮めることができるはずです」
SF-24の予測可能性は、日本GPで貴重な特性となるだろう。上り坂とエスの字を駆け抜けることがラップタイムの向上につながり、正確性が重要視される。
フェラーリチーム代表のフレッド・ヴァスールも、高速域でのパフォーマンスが向上したことを、今週末のチームの追い風になるだろうと語った。
「昨年はあまり良い結果が出なかった」とヴァスールは認めた。「しかし、今年は高速コーナーでのパフォーマンスが1年前より良くなっています。最初の3レースの結果を見ると、非常に僅差でした」
「1ラップあたり0.1～0.2秒の差です。つまり、まだ勝機はあるのです」
具体的なマシンの特性に加えて、フェラーリにはメルボルンの勝利の勢いという目に見えないアドバンテージがある。このような集団の自信は、大胆な戦略的な判断を下すのに役立つ。
「難しいでしょうが、勝機はあるし、先週勝ったことが良いモチベーションになります」とヴァスールは語る。
「チーム全員の良い刺激になっています。カルロスにとってはシーズンの良いスタートだし、シャルルにとっては巻き返しを図るきっかけになります」
サインツは2022年以来、フェラーリ以外のチームが勝利していないシンガポールとメルボルンでチームの最後の2勝を挙げたが、長期にわたってフェラーリに在籍するルクレールは、そろそろ自らの力で成功を収めたいと考えている。
「満足しているとは言いません」とルクレールはチームメイトに2回も敗れたことについて語った。「勝利は重要です。シーズン終了時のポイントはさらに重要です。フェラーリが1秒でも早く勝つことを望んでいます。カルロスは素晴らしい仕事をして勝ってくれました。今は私がそれに応えて次のレースで勝てることを願っています」
